「時給は古い」に惑わされてはいけない理由、教えます(2)
時給の概念を正しく知ることは、「経営」を目指すあなたにとって非常に大切なことです。
一般的に時給が悪習のように捉えられている理由はなんでしょう?
それは、誰もが「雇われる側」の立場から時給を見ているからです。
雇われる側から見るので、「安い値段で雇われる」とか「能力に見合わない」とか、ネガティブな面ばかり見てしまうのです。
正しい時給の見方はそうではありません。「雇う側」「経営者側」の立場から見ないといけないのです。
つまり、「従業員に十分な給料を支払う為には、どう利益を上げていくか。」という考えです。
皆さん、時給800円のアルバイトさんを雇おうと思ったら、最低いくら利益を出さないといけないか知っていますか?
一般的に健全に事業を継続させていく為には、一時間あたり2000円の利益が必要と言われています。
自分の事業を見直した時、一時間辺りの利益が2000円に満たないと気づいたらどうするべきでしょう?
作業時間がかかりすぎないよう無駄がないか見直す、客単価を上げられる余地がないか見直す…
など、色々と対策が出来るはずです。
経営者がこの見直しをきちんと出来ていない企業は、そのしわ寄せを「サービス残業」などで埋め合わせるようなブラック企業になってしまうのです。
ここまでが雇う側からの時給の考え方ですが、時給をそのまま雇用に持ち出すと良いように反映されません。それは「無駄な拘束時間」が発生してしまうからです。
実際に事業を行うとなると、時間を効率よく使うための時間管理も必要になってきます。
しかし、雇う側と雇われる側との都合のすり合わせの中で無駄が生じてしまいます。
この点で個人事業主は有利なのです。雇う側と雇われる側が同一ですので、効率よく時間を使うための工夫がしやすい。
このように、時給は経営を考える上で活かす概念であって、実際の労働、時間管理はまた別に考えるべき課題なのです。
起業する為には、雇われる側だけでなく雇う側の視点が必要なのです。