「好きなこと」で起業すると失敗する理由。/起業の話
「好きなことを仕事にしよう!」
就活や転職サイトでよく見るやつです。
はい、これ起業に当てはめると失敗します。
「ええ?嫌いな仕事で起業しろっていうの??」
いえいえ、そんなわけないです。
嫌いなことなんてしないに越したことはないです。
「あー、好きなことを仕事にしちゃうと嫌いになっちゃうってやつ?」
そんなしょーもない事は言いません。
どう言うことかというと、
好きなことを仕事にしたいだけなら会社員になった方がいいからです。
「ゲームが好き」ならゲーム制作会社、「勉強が好き」なら教育機関…。
すでに働く環境が揃っているんですから、起業するよりよっぽど効率的です。
こんなこと言うと多くの起業希望者は反発するでしょうね。
「いやいや、私は好きな分野で『こんなサービス(商品)を提供したい』
て、ビジョンがちゃんとあるんです。だから起業したいんです!」
わかりますよ、そういう夢があるからこそ起業を意識しているんですよね。
でも、夢だけで起業がうまくいくなら誰も苦労しないので、
ちょっと落ち着いて自分の夢を見直してみてください。
あなたの提供したいその『サービス(商品)』ってどれくらい特別なものですか?
これは「自分にとって」ではなく、『世間一般から見て』です。
はっきり言って一個人が思いつくような事業内容なんて世の中のその辺にごろごろ転がってます。
自分にとっては特別な夢ですから特別に感じますが、
世間から見たらありふれた仕事のひとつにしか映らないのです。
この辺りを落とし込まないで起業してしまうと、
「同業他社に埋もれてあっさり潰れてしまう」なんて悲しい結末を向かえてしまうのです。
では、そうならない為にどうしたら良いかというと…、簡単です。
「好きなこと」の「嫌いなところ」を探してみるのです。
あなたの好きな分野の既存のサービスや商品にはある程度のテンプレートやルールがあると思いますが、
その中で「これが無ければもっとサービスが受けやすいのに。」「このルールは無駄だ。」という点を見つける。
サービスや商品だけでなく、「自分の好きなことの業界は長時間労働が当然になっててそれが嫌だ。」などでもいいでしょう。
その「嫌いなところ」を改善出来るか、に視点を置いて事業を考えてください。
会社組織という所で既存のルールを変えてしまうのは難しいものですから、
そういう点で身軽に動けるのは「起業の強み」なのです。
どうでしょう。起業には「好きなこと」だけでは不十分で、
「好きなこと」×「嫌いなところの改善」という考えが必要ということが伝わったでしょうか。
「起業の強み」を活かさず起業するのは、みすみす大手企業に飲み込まれに行くようなものですよ。